思いの継承、そして昇華|Vol.1「価値向上への飽くなき思い」

国内に17コースを展開し、海外においても23(2018年3月現在)の名門クラブと提携契約を結び、エクスクルーシブなクラブライフを提供している太平洋クラブ。
クオリティとスケール、両面でベネフィットを創出するため「新生・太平洋クラブ」として意欲的に取り組んでいる。
そのフラッグシップを担うのが「太平洋クラブ 御殿場コース」。秋のビッグトーナメント「三井住友VISA太平洋マスターズ」の開催でも知られ、人気、実力ともに兼ね備えた、日本を代表する名コースの一つである。

さらに太平洋クラブではここ数年、「NEXT御殿場」をテーマに掲げて、トーナメントクオリティを広く浸透させるべく、他の所有コースでのトーナメント開催にも積極的に取り組んできた。

2015年は「江南コース」(埼玉)においてPGAのメジャー「日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯」。2016、17年は「美野里コース」(茨城)でLPGAの「TOTOジャパンクラシック」(米女子ツアーの公式戦でもある)。2018年は「六甲コース」(兵庫)でPGAシニアツアーの「マルハンカップ太平洋クラブシニア」(2014年から継続)と、前述の「江南コース」でJGTOチャレンジツアー「太平洋クラブ チャレンジトーナメント」を継続開催する。

そして今年は太平洋クオリティのベンチマークである「御殿場コース」においても大胆な“ネクスト”が展開されている。「国際水準に通ずる、日本を代表するトーナメントコース」へのさらなる価値向上を追求し、1グリーン化を遂げた2001年以来となる大改修が、秋の「三井住友VISA太平洋マスターズ」に向けた完成を目指し、現在進行している。

■原設計へのこだわり

改修に着手するに際し「加藤俊輔先生の原設計が素晴らしく、足りないことをどう付け加えるか」が基本姿勢だったと語る太平洋クラブの韓社長。設計家にリース・ジョーンズ氏を迎えた理由もそこにある。
リース氏は米国を代表するゴルフコース設計家で、メジャートーナメント開催コース(USオープン開催コース7ヶ所、PGA選手権大会開催コース6ヶ所、プレジデンツカップ開催コース1ヶ所、ライダーカップ開催コース4ヶ所)の改修・改善を手がけ、USオープンとの深い由縁から「オープンドクター」とも称されている。
「人気の高い著名なコース設計家は他にもおりますが、彼らのデザインにはそれぞれ強い特徴があり、今回の御殿場コースの改修にはフィットしないのではないかと考えました。

一方、リース氏はオリジナルの長所を最大限に活かし、無理に変えることはしません。リース氏が改修を手がけたコースで行われたトーナメントの翌日、クラブ会員から『どこを変えたの?』と尋ねられることが彼にとっての誉め言葉という話もあるくらいです。無理に自分を出そうとせず、本当にこのコースにあったものは何か、ということだけに集中し、アイデアを出してくれる設計者がリース氏ではないかと思いお願いしたところ、まさにそういう仕事をしてくれました」その言葉通り、原設計に込められた意図を尊重し、今回の改修はバンカーの形状と位置、グリーン周りのバリエーション作りが中心となる。とはいえ、バンカーはフェアウェイからグリーン周りまで、18ホールの全てが改修され、深さのバリエーションも豊富に。最新の技術によって排水面でも進化し、固過ぎず、柔らか過ぎずという、砂質のコンディションの向上も図られている。

グリーン自体の形状は変わらないものの、戦略的にも、景観的にも熟慮を重ね、グリーン周りは野芝から高麗芝に張り替えられる。目には美しくとも、グリーンを外したボールは止まりにくく、バンカーや拡張されたウォーターハザードへと吸い寄せられる、タフな舞台となる。

IP(第1打の落下地点の設定距離)も現在のトーナメント基準の280ヤードとなり(これまでは旧基準の250ヤード)、それを受けてフェアウェイ幅の調整も行われ、ホール全体で戦略性に高めている。コース上で進行する改修を目にすると、「2001年以来の大改修」であることを実感する。
レイアウト自体の変更は最小限に抑えつつも、正確で多彩なショットバリエーションが要求されるコースへと昇華する新生「御殿場コース」。まさにリース氏の奥深き「ドクターぶり」が表現されることとなる。

もう一つのビッグニュースが今回の改修では、世界の舞台で活躍する松山英樹選手に監修を依頼。松山選手にとってはこれが初のコース監修となり、自身も大好きと語る御殿場コースを、「プレーヤー目線」から磨きをかける。

現在は改修が進む中でのラウンドとなるが、6月には造作作業は終了し芝張り段階へと進む。進化の過程をよりリアルに見ることができるのは今。それもまた貴重な経験となることだろう。

次回の『思いの継承、そして昇華』は、「リース・ジョーンズ氏の思い」を掲載いたします。